こんにちは。
整形リウマチ科たくみリハビリクリニック院長の池田です。
今回は、当院でも診療することの多い「関節リウマチ」についてお話ししたいと思います。
「関節リウマチ」という名前は聞いたことがあっても、
「手が痛いだけでリウマチなの?」
「年齢のせいでは?」
「血液検査でリウマチと言われたけれど、本当に治療が必要なの?」
と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。
実は、関節リウマチは早い段階で見つけて、適切な治療を始めることがとても大切な病気です。
「朝、手がこわばる」はありませんか?
関節リウマチの初期には、次のような症状がみられることがあります。
- 朝起きたときに手指がこわばる
- 手や足の指の関節が腫れる
- 左右両方の手に痛みがある
- ペットボトルのふたを開けにくい
- 朝、手を握りにくい
- 手首や足首が腫れて痛む
- 原因がはっきりしない関節痛が続いている
特に、「朝起きたときに手がこわばって動かしにくい」という症状は、関節リウマチを考える重要なサインの一つです。
もちろん、これらの症状があるからといって、必ずしも関節リウマチというわけではありません。
変形性関節症や腱鞘炎、痛風、乾癬性関節炎、その他の膠原病など、さまざまな病気が関節痛の原因になります。
そのため、症状を丁寧に確認し、必要な検査を組み合わせて診断することが重要です。
血液検査だけでは、関節リウマチは判断できません
関節リウマチの検査では、
RF(リウマトイド因子)
抗CCP抗体
CRP
赤沈(ESR)
などの血液検査がよく行われます。
特に抗CCP抗体は、関節リウマチの診断を考えるうえで重要な検査です。
しかし、
「RFが陽性だから関節リウマチ」
「RFが陰性だから関節リウマチではない」
という単純な判断はできません。
血液検査だけではなく、実際にどの関節が腫れているのか、症状がどのくらい続いているのか、画像検査ではどのような変化があるのかなどを総合的に判断する必要があります。
関節の「炎症」を超音波で確認することもあります
当院では、必要に応じて関節超音波検査を行っています。
関節リウマチでは、関節の中にある「滑膜」という組織に炎症が起こります。
超音波検査では、この滑膜の腫れや血流の増加などをリアルタイムで確認することができます。
レントゲン検査ではまだ明らかな異常がみられないような早期の段階でも、関節の炎症が確認できることがあります。
また、治療を開始した後にも、
「炎症が本当に落ち着いているのか」
を確認するために超音波検査が役立つ場合があります。
関節リウマチは「痛みを取るだけ」の病気ではありません
関節リウマチの治療で大切なのは、単に痛みを一時的に抑えることだけではありません。
関節の炎症を抑え、将来的な関節破壊をできるだけ防ぐこと
が重要です。
現在では、メトトレキサートなどの抗リウマチ薬をはじめ、生物学的製剤やJAK阻害薬など、さまざまな治療薬が使用されています。
患者さんの病気の状態、年齢、合併症、生活スタイルなどを考慮しながら、一人ひとりに合った治療方法を選択していきます。
日本リウマチ学会の2024年改訂ガイドラインでも、疾患活動性を低下させ、関節破壊の進行を抑えることで、長期的なQOL(生活の質)の改善を目指すことが治療の基本的な目標とされています。
「まだ我慢できるから」は、少し注意が必要です
関節リウマチの初期では、
「痛いけれど、まだ我慢できる」
「少し腫れているだけだから」
「年齢のせいだと思っていた」
という方も少なくありません。
しかし、関節の炎症が長く続くと、徐々に関節の構造が壊れてしまうことがあります。
だからこそ、
「もう少し様子を見よう」ではなく、「一度調べてみよう」
ということが大切です。
特に、
- 手指や手首の腫れが続いている
- 朝のこわばりが長く続く
- 複数の関節が痛む
- 左右同じような関節に症状がある
- 原因のわからない関節痛が続いている
- 血液検査でRFや抗CCP抗体が陽性と言われた
という方は、一度リウマチの評価を受けることをおすすめします。
関節リウマチと診断されても、悲観する必要はありません
「リウマチと言われたら、一生痛みと付き合わなければならない」
と思われている方もいらっしゃいます。
しかし、現在の関節リウマチ治療は大きく進歩しています。
早期に診断し、適切な治療を行うことで、病気の活動性を十分に抑え、関節の状態や身体機能を良好に保つことを目指せる時代になっています。
大切なのは、
「病気を見つけること」だけではなく、「病気の状態を定期的に確認しながら治療を続けること」
です。
当院では、整形外科とリウマチ診療の両面から診察しています
当院では、関節の痛みや腫れについて、
診察
↓
レントゲン検査
↓
血液検査
↓
必要に応じて関節超音波検査、MRI検査
などを組み合わせながら、関節リウマチだけでなく、変形性関節症や腱・靱帯の疾患など、さまざまな可能性を考えて診療しています。
「これってリウマチなのかな?」
と思った段階でも構いません。
関節の痛みや腫れが続いている方は、どうぞお気軽にご相談ください。
早く見つけること。
そして、適切な治療を始めること。
それが、これからの関節と身体機能を守るための大切な一歩です。
整形リウマチ科たくみリハビリクリニック
院長 池田 巧

