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- 上肢の痛み(腕)・手・肘の痛み
- こんなお悩みはありませんか?
- 上肢の痛み(腕)・手・肘の痛みの原因とは?
- 上肢の痛み(腕)・手・肘の痛みの治療方法
- 肘内障(ちゅうないしょう)
- 上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ)
- テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
- 野球肘(やきゅうひじ)
- 変形性肘関節症(へんけいせいちゅうかんせつしょう)
- 肘部管症候群(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
- 前骨間神経麻痺と後骨間神経麻痺
- 尺骨神経麻痺(しゃっこつしんけいまひ)
- 橈骨遠位端骨折(コレス骨折・スミス骨折)
- 手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
- 舟状骨骨折(しゅうじょうこつこっせつ)
- キーンベック病(月状骨壊死)
- ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
- ガングリオン
- ばね指(弾発指)
- 母指CM関節症(親指の付け根の変形性関節症)
- へバーデン結節
- ガングリオン
こんなお悩みはありませんか?
- 手を動かすと痛みが走る
- 指や手首がしびれることがある
- 物をつかむときに違和感を感じる
- 肘を曲げたり伸ばしたりすると痛みが出る
- 腕全体が重だるく、力が入りにくい
- 指がスムーズに動かず、引っかかるような感覚がある
このような症状は、日常生活に支障をきたし、放置するとさらに悪化する可能性があります。上肢の痛みやしびれにはさまざまな原因があり、適切な診断と治療が必要です。
上肢の痛み(腕)・手・肘の痛みの原因とは?
上肢の痛み(腕)・手・肘の痛みの原因には、骨・関節・神経・筋肉などのさまざまな問題が関係しています。
- 関節や骨の異常
- 神経の障害
- 筋肉や腱の炎症
- 繰り返しの動作や使いすぎ
上肢の痛み(腕)・手・肘の痛みの治療方法

腕や手、肘の痛みに対しては、症状や原因に応じた治療が必要です。
保存療法(手術をしない治療)
- 安静・固定(シーネやギプスを使用して関節や腱を休ませる)
- 薬物療法(痛み止めの内服や湿布・塗り薬の使用)
- リハビリテーション・ストレッチ(関節の動きを改善し、筋力を強化する)
- 装具療法(テニス肘用のバンドや手首のサポーターを使用)
- ステロイド注射(炎症を抑えるために関節や腱に直接注射をする)
手術療法(症状が改善しない場合)
- 神経の圧迫を解放する手術(手根管症候群・肘部管症候群など)
- 腱や関節の修復手術(ばね指・テニス肘など)
- 骨折の整復手術(ずれた骨を元に戻し、固定する)
早めの治療によって、症状の悪化を防ぎ、日常生活を快適に過ごすことができます。
肘内障(ちゅうないしょう)
肘内障は、小さな子どもに多い肘の外傷で、手を強く引っ張られた際に起こります。特に5歳以下の子どもによくみられ、肘の靭帯から橈骨頭(肘の外側の骨)がずれかかることで発生します。
診断
受傷時の状況を確認し、腕を下げたまま動かさない場合に疑われます。骨折や他の脱臼との鑑別のために、レントゲン検査をおこなうこともあります。
症状
- 突然腕を動かさなくなり、痛みを訴えます。
- 腫れや内出血はほとんどみられません。
上腕骨顆上骨折(じょうわんこつかじょうこっせつ)
上腕骨顆上骨折は、小児によくみられる骨折の一つです。転倒や転落によって肘が強く反ることで発生し、鉄棒やうんていから落ちたときにも起こりやすいです。
診断
レントゲン検査をおこない、骨折の有無や状態を確認します。
症状
- 肘の激しい痛みと腫れがみられます。
- 肘を動かせず、神経や血管が損傷すると手や指のしびれや動かしづらさが生じることもあります。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
テニス肘は、肘の外側にある短橈側手根伸筋が繰り返し負荷を受けることで発症します。特に中年以降のテニス愛好者に多くみられますが、テニスをしていなくても発症することがあります。
診断
- Thomsenテスト(手首を伸ばす際に痛みが出るか確認)
- Chairテスト(肘を伸ばした状態で椅子を持ち上げると痛みが出る)
- 中指伸展テスト(中指を伸ばす際に痛みが出る)
症状
- ものをつかんで持ち上げる、タオルを絞る動作で痛みが出ます。
- 肘の外側から前腕にかけて痛みが広がります。
- 安静時には痛みがないことがほとんどです。
野球肘(やきゅうひじ)
成長期の子どもがボールを投げすぎることで発症する肘の障害です。繰り返しの投球動作によって肘に過剰な負担がかかり、骨や軟骨、靭帯が損傷することがあります。
診断
レントゲン検査やMRI検査をおこない、骨や軟骨の状態を確認します。
症状
- 投球時や投球後に肘の痛みを感じます。
- 肘の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなります。
- 症状が進行すると、肘が急に動かなくなることもあります。
変形性肘関節症(へんけいせいちゅうかんせつしょう)
肘の使いすぎや外傷が原因で、関節の軟骨がすり減り、骨同士がぶつかることで痛みや可動域の制限が生じる疾患です。進行すると骨のトゲ(骨棘)ができ、さらに動きが悪くなります。
診断
- レントゲン検査で関節の隙間が狭くなっていないかを確認します。
- CT検査で骨棘や関節内の遊離体の位置を特定します。
症状
- 肘を動かすと痛みが強くなり、安静にすると痛みが和らぎます。
- 肘の曲げ伸ばしがしにくくなり、日常生活に支障をきたします。
- 関節内の遊離体が引っかかると、突然肘が動かなくなることがあります(ロッキング現象)。
肘部管症候群
(ちゅうぶかんしょうこうぐん)
肘部管症候群は、肘の内側を通る尺骨神経が圧迫や牽引を受けることで発生する神経障害です。加齢や過去の骨折、スポーツなどが原因となり、手のしびれや指の変形を引き起こします。
診断
- 肘の内側を軽くたたくと、小指や薬指にしびれが走る(Tinelサイン)
- レントゲン検査で肘の変形や関節の狭小化を確認
症状
- 初期は小指と薬指のしびれ
- 進行すると、手の筋肉がやせ、小指と薬指が変形する
前骨間神経麻痺と後骨間神経麻痺
前骨間神経は親指と示指の第1関節を動かし、後骨間神経は指を伸ばす役割を持つ神経です。どちらも皮膚の感覚には影響がなく、神経炎や外傷によって麻痺が生じることがあります。
診断
- 前骨間神経麻痺(涙のしずくサインが陽性)
- 後骨間神経麻痺(下垂指「drop finger」がみられる)
- 筋電図検査、X線、MRI検査を併用して確定診断
症状
- 親指と示指の第一関節を曲げられない(前骨間神経麻痺)
- 手首は上がるが指が伸ばせない(後骨間神経麻痺)
尺骨神経麻痺(しゃっこつしんけいまひ)
尺骨神経は小指と薬指、手の筋肉の多くを支配する神経で、外傷や神経の圧迫により麻痺が生じます。手の変形や感覚障害が特徴です。
診断
- Tinelサイン(尺骨神経の走行部をたたくとしびれが生じる)
- フローマンサイン(紙をつまんだ際に親指の第一関節が曲がる)
- レントゲン、MRI、筋電図検査で評価
症状
- 小指と薬指の感覚障害
- 手の筋萎縮とかぎ爪変形(鷲手変形)
- 指の動きが悪くなり、細かい動作が困難
橈骨遠位端骨折(コレス骨折・スミス骨折)
手をついて転倒した際に、手首の橈骨(とうこつ)が折れる骨折です。特に閉経後の女性は骨粗鬆症の影響で発症しやすく、若年層では高所からの転落や交通事故が原因となることが多いです。
診断
- レントゲン検査で骨折の位置やズレの程度を確認
- 手の甲側にズレる「コレス骨折」、手のひら側にズレる「スミス骨折」に分類
症状
- 手首の強い痛みと腫れ
- 手のひらをついて転倒した後、フォークを伏せたような変形
- 手を支えないと動かせない
- 神経の圧迫により指のしびれが出ることもある
手根管症候群
(しゅこんかんしょうこうぐん)
手首にある「手根管」と呼ばれるトンネル内で、正中神経が圧迫されることで発症します。特発性が多く、妊娠・更年期の女性、手の使いすぎ、透析患者に多く見られます。
診断
- ティネルサイン(手首をたたくと指先にしびれが走る)
- ファレンテスト(手首を直角に曲げてしびれを誘発)
- 筋電図検査で神経伝導速度を測定
症状
- 初期は示指・中指のしびれ、その後親指~環指に拡大
- 朝方にしびれや痛みが強くなる
- 親指の付け根がやせ、細かい作業がしにくくなる
舟状骨骨折(しゅうじょうこつこっせつ)
手首の親指側にある舟状骨が折れる骨折で、転倒時に手をついた際に起こりやすいです。血流が乏しい骨のため、治癒しにくく、放置すると偽関節になりやすい特徴があります。
診断
- レントゲン検査で確認(初期は発見が難しい)
- CTやMRIで骨折部を詳しく評価
症状
- 親指側の手首の腫れと痛み
- 偽関節になると手首の変形が進行し、動かしにくくなる
キーンベック病(月状骨壊死)
手首の中心にある月状骨が血流障害によって壊死し、扁平化する病気です。原因は不明ですが、手をよく使う若年男性に多い傾向があります。
診断
- レントゲン検査で月状骨の輝度変化を確認
- MRI検査で血流障害の状態を詳細に評価
症状
- 手を使った後の手首の痛みと腫れ
- 握力の低下
- 手首の可動域制限
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
ドケルバン病は、親指を動かす腱(短母指伸筋腱と長母指外転筋腱)が手首の腱鞘で炎症を起こすことで発症する腱鞘炎です。妊娠・出産期の女性や更年期の女性、手や指をよく使う人に多くみられます。
診断
- フィンケルシュタインテスト(親指を握ったまま手首を小指側に曲げると強い痛みが出る)
- 手首の母指側に腫れや圧痛がみられる
症状
- 手首の母指側が痛み、腫れる
- 親指を広げたり、動かしたりすると強い痛みが走る
- 親指を握った状態で手首を曲げると痛みが増す
ガングリオン
ガングリオンは、関節や腱鞘から発生するゼリー状の腫瘤です。特に手首の甲側にできやすく、通常は無症状ですが、神経を圧迫するとしびれや痛みが生じることがあります。
診断
- 触診で腫瘤の有無を確認
- エコーやMRI検査で小さなガングリオンを特定
- 穿刺吸引によりゼリー状の内容物を確認
症状
- 手首や指の付け根に米粒大~ピンポン玉大の腫瘤
- 神経圧迫があると、しびれや痛みが生じる
- 手をよく使うと腫瘤が大きくなる
ばね指(弾発指)
ばね指は、指を曲げる腱とそれを押さえる靱帯性腱鞘が炎症を起こし、指の動きがスムーズにいかなくなる疾患です。進行すると腱が引っかかり、指がばねのように弾ける動作をすることからこの名前がついています。更年期の女性や妊娠出産期の女性、指を頻繁に使う職業の方によく見られます。
診断
- 指の付け根に腫れや圧痛がある
- 指を動かす際に引っかかるような感覚がある
- 進行すると指が動かなくなることもある
症状
- 指の付け根に痛みや腫れ、熱感がある
- 朝方に症状が強く、日中は軽減することが多い
- 指が引っかかるようになり、進行すると完全に動かせなくなる
母指CM関節症(親指の付け根の変形性関節症)
母指CM関節症は、親指の付け根にある関節の軟骨がすり減り、炎症や変形を起こす疾患です。物をつまんだり、瓶のフタを開けるなど親指を使う動作で痛みが生じます。進行すると関節の変形や可動域の制限が現れます。
診断
- 親指の付け根の関節に腫れや痛みがある
- 親指をひねる動作で強い痛みが出る
- X線検査で関節の隙間が狭くなり、骨の変形が見られる
症状
- つまむ動作や握る動作で痛みが出る
- 進行すると関節が変形し、親指が開きにくくなる
- 「白鳥の首」変形が見られることがある
へバーデン結節
へバーデン結節は、指の第1関節(DIP関節)が変形してしまう原因不明の疾患です。特に40歳以上の女性に多く、指の使いすぎが影響していると考えられています。指の関節にコブのような腫れができ、痛みを伴うこともあります。
診断
- 指の第1関節が腫れて変形している
- 関節の動きが悪くなり、痛みがある
- X線検査で関節の隙間が狭くなり、骨棘が見られる
症状
- 指の第1関節が赤く腫れたり、変形する
- 強く握ると痛みが出る
- ミューカスシスト(粘液嚢腫)ができることがある
ガングリオン

ガングリオンは、関節や腱鞘から発生するゼリー状の腫瘤です。特に手首の甲側にできやすく、通常は無症状ですが、神経を圧迫するとしびれや痛みが生じることがあります。
診断
- 触診で腫瘤の有無を確認
- エコーやMRI検査で小さなガングリオンを特定
- 穿刺吸引によりゼリー状の内容物を確認
症状
- 手首や指の付け根に米粒大~ピンポン玉大の腫瘤
- 神経圧迫があると、しびれや痛みが生じる
- 手をよく使うと腫瘤が大きくなる