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- 腰の痛み
こんな症状でお困りではありませんか?
- 腰を曲げたり伸ばしたりすると痛む
- 重いものを持ち上げると腰に強い痛みを感じる
- 腰から膝下までしびれや痛みがある
- 歩くと腰が痛くなり、動きが鈍くなる
- 腰が以前より曲がってきた気がする
- 身長が縮んだように感じる
- 起き上がるときや寝返りを打つのがつらい
- 長時間座っているのが難しい
このような症状が続く場合、放置せずに適切な診察を受けることをおすすめします。腰の痛みは、多くの方が一度は経験する症状の一つです。日常の何気ない動作や姿勢のクセ、加齢、スポーツ、仕事での負担など、さまざまな原因で腰椎の異常が生じることがあります。
腰椎とは?

腰椎は5つの骨からなり、通常は前弯(前方に凸の曲がり)をしています。この腰椎は体の重さを支え、日常の動作をスムーズにおこなうために重要な役割を果たしています。しかし、負担がかかり続けることで痛みやしびれ、動きの制限などの症状が現れることがあります。腰の痛みの原因はさまざまで、筋肉や靭帯の炎症によるものから、椎間板や神経に関わるものまで多岐にわたります。そのため、痛みを放置せず、適切な診断を受けることが大切です。
腰の痛みの原因となる代表的な疾患
- 腰痛
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
- 腰椎変性すべり症
- 腰椎分離症・分離すべり症
- 側弯症
- 脊髄腫瘍
- 転移性脊椎腫瘍
- 脊髄損傷
- 後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症
- しびれ(脊椎手術後のしびれ)
腰痛の治療法
腰痛の治療は、大きく分けて薬物療法、物理療法、運動療法、神経ブロック療法、装具療法、手術療法の6つの方法があります。それぞれの治療法は症状の程度や原因に応じて適用されます。
薬物療法
腰痛の痛みや炎症を抑えるために、消炎鎮痛薬(NSAIDs)や筋弛緩薬が用いられます。痛みが強い場合には、神経の興奮を抑える薬やオピオイド(麻薬性鎮痛薬)が処方されることもあります。ビタミンB12製剤は神経の修復を助ける効果が期待されます。
物理療法
温熱療法や電気療法、超音波療法などを用いて血流を改善し、筋肉の緊張を和らげます。温熱療法ではホットパックや赤外線治療を、電気療法では低周波治療や干渉波治療がおこなわれます。超音波療法は組織の修復を促進し、深部の筋肉にアプローチするのが特徴です。
運動療法
筋肉を柔軟にし、腰への負担を軽減するためにストレッチや体幹トレーニングをおこないます。腰痛予防のためのエクササイズや、理学療法士による運動器リハビリテーションが取り入れられます。特に腹筋や背筋を鍛えることで、腰椎を支える力が強化され、再発防止にもつながります。
神経ブロック療法
痛みが強く、通常の薬物療法では改善しない場合に、神経周囲に局所麻酔薬やステロイドを注入して痛みを緩和する方法です。硬膜外ブロックや神経根ブロックが一般的で、炎症を抑えながら痛みの伝達を遮断します。効果が一時的な場合もありますが、痛みが軽減することで運動療法など他の治療を進めやすくなります。
装具療法
腰への負担を軽減するために、コルセットや腰椎ベルトを使用します。ぎっくり腰など急性期の痛みが強い時や、腰椎すべり症、圧迫骨折の治療過程でよく用いられます。過度に依存すると筋力低下を招くため、適切な使用が必要です。
手術療法
保存療法で改善が見られず、神経症状(しびれや麻痺、排尿障害)が進行している場合に手術が検討されます。腰椎椎間板ヘルニアでは突出した椎間板を摘出する手術がおこなわれ、腰部脊柱管狭窄症では狭くなった脊柱管を拡げる除圧術が実施されます。腰椎すべり症では、固定術が選択されることもあります。手術後は、リハビリテーションをおこないながら日常生活への復帰を目指します。
ぎっくり腰
ぎっくり腰とは、重いものを持ち上げたり、急に腰をひねる動作をした際に起こる急性の腰痛のことを指します。「腰椎捻挫(腰部捻挫)」や「急性腰痛症」とも呼ばれ、突然の強い痛みが特徴です。原因はさまざまであり、正確な診断を受けることが重要です。
症状
- 突然の強い腰の痛み
- 動こうとすると痛みが悪化する
- ひどい場合は歩行が困難になる
- 楽な姿勢で安静にすると痛みが軽減する
腰椎椎間板ヘルニア
腰椎のクッションである椎間板の一部が飛び出し、神経を圧迫することで、腰痛や足の痛み・しびれを引き起こします。20代〜40代の男性に多く見られる疾患です。長時間の悪い姿勢や重いものを持つ動作が繰り返されることで、椎間板が劣化し、一部が飛び出して神経を圧迫します。加齢、喫煙、遺伝なども影響すると考えられています。
症状
- 腰やお尻の痛み
- 足に広がるしびれや痛み
- 足に力が入りにくくなることがある
- ひどい場合は排尿障害が起こる
腰部脊柱管狭窄症
(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)
腰部脊柱管狭窄症とは、背骨(脊椎)の腰の部分で、神経が通る脊柱管が狭くなることによって、神経が圧迫される疾患です。加齢に伴う骨や靭帯の変性が主な原因となり、特に50歳以上の中高年の方に多く見られます。脊柱管が狭くなると、腰から足にかけての神経が圧迫され、痛み・しびれ・脱力感などの症状が現れます。
症状
- 歩行時に足のしびれや痛みが出る(神経性間欠跛行)
(しばらく歩くと症状が出るが、座って休むと楽になり、再び歩けるようになる。) - 腰を反らすと症状が悪化し、前かがみになると和らぐ
(自転車に乗ると楽に移動できるが、歩くと症状が出やすい。) - 長時間の立位や歩行が困難
- 足の感覚が鈍くなる、力が入りにくくなる
- 排尿・排便障害(重症の場合)
腰椎変性すべり症(ようついへんせいすべりしょう)
腰椎変性すべり症とは、腰椎(腰の背骨)がずれることで、脊柱管が狭くなり、神経を圧迫する疾患 です。特に50歳以上の女性に多く見られる病気で、加齢による椎間板や靭帯の変性が主な原因となります。脊柱管が狭くなることで、神経の圧迫による痛みやしびれが現れるのが特徴です。
症状
- 歩くとお尻や太ももの部分が痛くなり、休むと楽になる
(これは 「神経性間欠跛行(かんけつはこう)」と呼ばれる症状で、腰部脊柱管狭窄症と似ています) - 歩ける距離が日によって異なる
- 長時間の立ち姿勢や歩行が困難
- 腰の痛みは比較的少なく、全くない場合もある
- 前かがみになると症状が軽くなる
- 足のしびれや違和感が出ることがある
腰椎分離症・分離すべり症(ようついぶんりしょう・
ぶんりすべりしょう)
腰椎分離症とは、腰椎(腰の背骨)の後方部分に亀裂が入り、分離してしまう状態を指します。特に、成長期のスポーツをする子どもに多く発症 し、特にジャンプや腰をひねる動作を頻繁におこなう競技で起こりやすいとされています。分離症が進行すると、腰椎がずれを起こし「分離すべり症」へと移行する場合がある ため、早期の診断と適切な対応が重要です。特に成長期に運動をしている場合は、腰に負担をかけすぎないよう注意することが大切です。
症状
- 腰の痛み(ベルトの位置あたり)
- お尻や太ももに痛みが放散することがある
- 腰を後ろにそらすと痛みが強くなる
- 10~15歳頃から発症しやすいが、高齢者まで幅広く症状が現れる
- 進行すると、下肢のしびれや痛みを伴うことがある
側弯症(そくわんしょう)
側弯症とは、背骨が左右に弯曲し、ねじれを伴う脊柱変形 のことを指します。主に小児期に発症することが多く、成長とともに進行する場合があります。特に女子に多くみられ、発症率は日本では約1~2%とされています。特に成長期の間に側弯が進行しやすいため、学校検診などで早期発見・経過観察が重要 になります。
症状
- 左右の肩の高さが異なる
- 肩甲骨が片方だけ突出して見える
- 腰の高さやウエストラインが非対称
- 前かがみになると肋骨や腰部が隆起して見える
- 進行すると腰や背中の痛みを伴う
- 重度になると心肺機能の低下を引き起こすことがある
筋筋膜性腰痛
筋筋膜性腰痛は、腰の筋肉や筋膜に炎症が生じることで起こる腰痛の一種です。長時間同じ姿勢を続けたり、スポーツや重労働などで腰に負担がかかることで発症し、慢性的な腰痛につながることもあります。
症状
- 慢性的な腰の痛み
- ぎっくり腰のような急性の痛みが出ることもある
- 姿勢や動作によって痛みが増減する
腰椎分離症
スポーツや腰のひねり動作が繰り返されることで、腰椎の一部にひびが入り、腰痛を引き起こします。10代のスポーツ選手に多く発症します。
症状
- 腰の痛み、お尻や太ももの痛み
- 腰を反らすと痛みが強くなる
- 初期治療が不十分だと、骨がつかなくなることもある
変形性腰椎症
加齢により、腰椎(腰の背骨)や椎間板、周囲の関節や靭帯が変性し、慢性的な腰痛を引き起こすことがあります。変形性側弯症や脊柱管狭窄症の原因になることもあります。
症状
- 無症状のことも多い
- 腰痛や足のしびれが現れることがある
- 進行すると排尿障害を伴うこともある
腰椎の圧迫骨折
腰椎がつぶれるように骨折することで、強い腰痛が生じる疾患です。特に骨粗鬆症のある50代以降の女性に多く見られます。交通事故や転落などの強い衝撃で腰椎がつぶれて骨折することがあります。また、骨粗鬆症により骨が弱くなっている場合は、日常動作でも骨折を引き起こすことがあります。
症状
- 腰の痛み(特に動いたときに強くなる)
- 起き上がる、寝返りをうつなどの動作が困難
- 軽い痛みしか感じないこともある
しびれ(脊椎手術後のしびれ)

脊椎の手術は、神経の圧迫を取り除き、しびれや痛みを改善する目的でおこなわれます。しかし、手術後も頑固なしびれが残ることが少なくありません。これは、手術によって物理的な圧迫が解消されても、神経自体のダメージが回復しきらないために起こります。
症状
- しびれや違和感が持続する
- 手足の感覚が鈍い、またはビリビリとした感覚がある
- 手術前よりも若干軽減するものの、完全にはしびれが取れない
- 動作の際に違和感を感じる
- 時間の経過とともに徐々に改善することもあるが、長期間続く場合もある
- しびれの程度は個人差があり、手術後の経過によって変化することもある